理事長挨拶2018

新任挨拶  「国際交流とは?」

理事長 金井章男

国際交流って一体なんなのよ? なんの意味があるの?と問われた時、その答えは人により千差万別かと思います。

たぶん多くの人の共通認識として言えるのは、地球という単位、人類という単位でモノを考えないといけない時代に入っているという事かと思います。石油に依存した文明は石油が枯渇した時に終わってしまうかもしれません。エネルギーや資源が枯渇に向かうとともに、様々な廃棄物が我々の生存環境を汚染し破壊していきます。その代表のように言われる大気中のCO2の増加が地球温暖化をもたらし、異常気象をもたらしている、アルプスの氷河や北極の氷が解けているなどと言われています。

エネルギーを手に入れようとアメリカやロシアが地政学的にぶつかりあうシリアでは、アサド政権の化学兵器使用疑惑で、また一触即発というところまで来ています。一方で地球を周回している人工衛星は4,400個と言われています。Facebookのユーザー数は12.8億人、Twitterのユーザー数は3.3億人とも言われ一国の人口をはるかに超えるコミュニケーション手段が出現しています。そして従来の核保有国に加え、北朝鮮のミサイルは日本を飛び越えアメリカ本土を攻撃できるほどの飛距離になっているのです。中国から日本に黄砂やPM2.5は飛来すると日本が被害者だと思っているのだけれど、東日本大震災3.11の時の原発事故がまき散らした放射能はハワイまでも観測されました。人の活動の影響力がどんどん大きくなって、相対的に地球はどんどん狭くなって、人類は自分の国だけでは生きていけない状態になっています。放っておけば地球環境全体を自ら破壊し、憎しみあいの挙句に、もたらした戦争で人類は破滅に向かうかもしれません。それを救うきっかけとなりうるのが国際交流であり、また国際理解というものです。

「そんな大上段の理想論や概念論議を聞いてもしかたがない。あなたには何ができて、私は何ができるの? このあすみが丘で何ができるの? 私の生活に何の関係があるの?」 と疑問に感じるかもしれません。世界から見ればわれわれはちっぽけです。それでも、地球環境を考えれば、資源回収に協力することだったり、木を自分の庭に一本でも植えることだったり、身近なところに花や苗木の一本でも植えることだったりします。世界戦争の最後の引き金を引くのを躊躇させるものはその一瞬に浮かぶ人の顔や名前であり、人間一人ひとりの友情や信頼関係の強さでしょう。そのためには昔からの外国の友人やこの近隣に住む外国人の方々と少しでも理解を深めることを継続していくことです。全ては一人ひとりの一歩から始まり、大きな流れになっていくのです。

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